中心性漿液性脈絡網膜症 視界がゆがみ視力も低下

2016.01.06


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 昨年まではストレスの多かったお父さんも心機一転、視界良好で仕事に臨みたいものだ。ところが、その「視界」が揺らいでいる人がいる。「中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)」という長い名前の目の病気。ストレスが発症要因の1つだという。

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 システムエンジニアのJさん(35)はちょうど1年前のこの時期、その症状に見舞われた。ある大手企業のシステム開発を担当する彼のチームは、前の年の秋から休日返上、不眠不休の忙しさ。年末年始も仕事に明け暮れていた。世間が正月休みから明けて「仕事始めだ」と気合を入れるころには、彼の疲労とストレスは頂点に達していた。

 朝の通勤電車に乗って、見るともなく車外の風景を眺めていると、左目の視界がゆらゆら揺らいでいるように見えた。寝ぼけているのかと思ったが、その後も症状は続き、明らかに視力の低下を感じるようになる。

 病院の眼科を受診すると、三次元断層撮影や蛍光眼底造影なる検査が行われた。そして下された診断は、「中心性漿液性脈絡網膜症」という、聞いたこともなければ、聞いたそばから忘れてしまうような病名だったのだ。

 「網膜の下に水がたまることで、視界がゆがんで見える病気です」と説明するのは、昭和大学江東豊洲病院眼科准教授の笹元威宏医師。

 「網膜の裏の脈絡膜という組織から、血漿(けっしょう)成分である漿液が網膜内にしみ出ることで起きる病気。ストレスだけで起きることは考えにくいが、ストレスが誘因の1つであることも確か」

 幸いJさんの症状は軽く、特に何か治療をすることもなかった。2カ月後には忙しさも落ち着き、それにつられるようにして目の症状も改善した。

 しかし、笹元医師によると、重症の場合は漿液が漏れている部分にレーザーを当てる治療が行われることもあるという。

 「この病気を経験すると、加齢黄斑変性症という視力低下を招く病気のリスクが高まるので、治った後も注意が必要」と笹元医師は警告する。

 忙しさも限度を超えると、自分の健康にさえ鈍感になる。今年こそは「健康第一」「安全第一」でいきましょう。 (長田昭二)

 

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