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一気読み必至! 時を超えた世界規模の謀略戦を描く 堂場瞬一著『バビロンの秘文字』上・下

 『バビロンの秘文字』上・下(中公文庫、上下とも税別880円)は、ベストセラー作家、堂場瞬一氏が壮大なスケールで描いた歴史サスペンスの傑作。上下巻で1000ページを超える大作だが、一気読み必至だ。

 報道カメラマン・鷹見正輝は、久しぶりに恋人・松村里香と会うためにスウェーデンを訪れた。里香はストックホルムのILL(国際言語研究所)で中東の古代文書の研究をしていた。だが、鷹見の目の前でILLは爆破され、現場から逃げる里香を見失う。

 事件のカギは里香が持ち出した4500年前の粘土板“バビロン文書”にあった。そこに刻まれた楔形文字には、失われた古代の都の位置が記され、少数民族ラガーンがその都で独立すると宣言。政情不安なイラクで引き起こされた独立騒動は、米ロの思惑もからみ壮絶な古代文書の解読・争奪戦となって、鷹見を飲み込んでいく。数千年という時を超えた世界規模の謀略戦は、息もつかせない迫力だ。