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第5のがん治療「遺伝子療法」現状と今後の展開 ときわ台メディカルクリニック・安井昭院長が解説

 年間100万人が新たにがんと診断され、それに合わせるように治療法も進化を続けている現代。第5のがん治療として注目されている「遺伝子療法」で右副腎悪性リンパ腫を克服した、医学博士でときわ台メディカルクリニックの安井昭院長が、がん治療の現状と今後の展望を解説する。

 がんの治療には手術による摘出、抗がん剤を投与する化学療法、放射線治療が標準治療として行われてきましたが、副作用もあり患者さんの負担も大きいものとなります。

 では遺伝子治療にデメリットはないのでしょうか。現在は採用している病院が少なく、自由診療の扱いとなるため、治療費全額が負担になります。当院では2週間で計4回の点滴投与を行い、トータルで150万円から200万円程度の費用になります。

 次にどんながんが対象になるのかについてお話しします。全ての種類のがんに効くわけではありませんが、スキルス胃がん、進行乳がん、前立腺がんなどは対象となります。当院ではがん相談を行っていますので、がん治療に不安や疑問があれば、まずはがん相談を受けることをオススメします。

 日本は欧米に比べ、遺伝子検査で患者さん一人一人のがんの原因を探り、より適した治療を行う「がんゲノム治療」が立ち遅れているのが現状です。厚生労働省は昨年、国立がん研究センターに「ゲノム情報管理センター」を開設し、今年は、対象は限られるものの、がん遺伝子パネルの保険適用を予定するなど、がんゲノム医療の実現に向けて推進しています。

 つまり、今年はまさにゲノム医療元年。がん治療は遺伝子がキーワードになる時代となっているのです。

 ■安井昭(やすい・あきら) ときわ台メディカルクリニック(東京都板橋区常盤台4の17の4光陽ビル2階)院長、医学博士。1958年に昭和医科大学卒業、63年に同大学院外科系外科学修了。日本胃癌学会名誉会員、日本癌治療学会功労会員、日本外科学会特別会員。