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【当てちゃる券】一番古い友人・佐々木龍也

<<2017年1月30日発行、夕刊フジから>>

 32年も現役をやっていた私には競輪界の知り合いがたくさんいるが、今回は一番古い友人の佐々木龍也(神奈川・57期)の話をしたいと思う。

 九州と南関だが、二人にはちょっとしたドラマがある。高校2年の大晦日、私は初詣を兼ねて太宰府天満宮に行った。近くの宿に着くと、神奈川から自転車に乗ってきたという中学2年のかわいい少年がいた。九州まで自転車で来たことにもたまげたが、彼は「法政二高で自転車部に入り、将来は競輪選手になる」と熱く夢を語っていた。その頃の私は、競輪には全く興味がなく、弱小バレー部で怠惰な青春を過ごしていた。

 「福岡には中野浩一ってすごい人がおるばい。知っとるか?」私は彼にそんな話をしたそうだ。しかし、運命のいたずらか、私のほうが先に選手になっていたのだ。数年後、私たちはある記念競輪で感動の再会をした。まさか二人とも選手になっていたなんてホントに驚いた。

 彼との縁はそれだけではない。弟子の松谷秀幸(神奈川・96期)は元ヤクルトスワローズのプロ野球選手。彼をスカウトした酒井氏は私のなじみの焼き鳥屋の常連客。そして師匠は私もかわいがってもらった元祖「鬼軍曹」こと星川淳さん(41期、引退)。51歳になり、ケガや病気で満身創痍(そうい)の彼だが、私は龍也を最後の最後までまで応援したい。昭和のレーサー頑張れ!

  (元競輪選手)

◇佐々木龍也(17年4月10日に引退)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。

※原則として新聞掲載時のまま再録していますが、一部加筆・修正を行っています。