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【当てちゃる券】保険を解約した途端に… 人生とはこんなもの

 今年も小倉競輪場にはド派手な衣装に青春を賭けた新成人が集まった。一見、無法地帯のように見えるが、彼らは式典を妨害することもなく、ゴミを片づけたり親への感謝を述べたりと見た目よりは素直で、しっかりしている若者が多いのには驚く。

 ところで、わが家では年末から入院していた母が、ようやく退院した。「ろれつが回らんばい」と言い出したので、急いで近くの救急病院へ。

 「本日は専門医が不在ですが」と言われ、問診表を書きながら「最悪の展開になったら一生後悔する」と思い直し、脳疾患に365日24時間対応の総合病院を見つけ、急いで連れて行くと、診断は案の定、脳出血だった。脳の輪切り写真には出血部分だけが黒く映っていた。幸い処置が早かったので、障害はほとんど出ずホッとしたが、すぐに救急車を呼ぶべきだった。

 恐ろしい経験はオレにもある。あるレースで落車したとき、ドクターが頭部写真を見ながら「小さな脳梗塞の痕がありますが心当たりは?」と聞かれた。

 心当たりはあった。20代の頃、乗り上げ落車で脳振盪(しんとう)を起こし、欠場した。その夜、やけ酒を飲んでいたら、突然ろれつがおかしくなった。次の日には治っていたが、今考えると己の無知にゾッとした。

 また不思議に思うことがある。40代に入り、落車も著しく減ったので入院給付金の出る掛け捨て保険を解約した途端、鎖骨を折って入院した。母も3年前に入院給付金の出る掛け捨て保険に加入させた。しかし、一度も入院したことがない母は「必要ない」と強引に解約したら、今回の入院となった。人生とはこんなものなのかな…。

 久留米最終日S級決勝(12R)は南関5車がきっちり並び、結束の強さをみせる。和田は引いても5番手で、早めでもラインを引き出す逃げを打つ。他のラインは攻めが難しい。番手・福田の差し切りが濃厚。〔2〕-〔4〕〔9〕-〔4〕〔5〕〔9〕。

(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。