医学発展のために自らの遺体を…と思って献体を希望しても幾つか制約がある

提供:教えて!ウォッチ 
医学発展のために自らの遺体を…と思って献体を希望しても幾つか制約がある

 医学の発展は、人類の発展と言っても過言ではないかもしれない。では、医学の発展に貢献したものには一体何があるのだろうか。その内の一つに挙げられるものは、献体であろう。

 「教えて!goo」では「献体の場合の葬儀について」と題して、献体に供した場合の葬儀についての質問が寄せられていた。

 ■献体に供しても葬儀には支障はない

 親族が事故で亡くなったという質問者。生前における故人の遺志により、献体に供することになったが、医療機関へ献体すれば遺体は無い状態で葬儀を執行することになると質問者は考えているようだ。この場合にはどのような葬儀をすべきかと聞く質問者に対して寄せられた回答を見てみよう。

 「細胞が生きている内に臓器を摘出しますから、修復されて遺体が返ってくるまでは短い時間です。普通に葬儀は手配できると思います」(nitto3さん)

 「献体の場合、普通に葬儀は可能です。火葬できないだけで」(AVENGERさん)

 「私の父が献体をしました。7月のある日曜日の午後3時半~5時の間に海難事故で亡くなり、午後6時に発見されたのですが、翌日の昼過ぎにはもう大学病院からの使者が、ロールスロイスの霊柩車でお迎えに来て下さいました。…(中略)うちは父の遺志により葬儀などは一切せず、約一年後、父の遺灰が大学から帰って来たのを待って、家の墓に納骨しました。献体をすると遺灰はすぐに帰って来ませんし、火葬に立ち会うのも無理なはずですから、とにかく相手がいつか返してくれるのをひたすら待つしかありません。よくご遺体の見つからないご家族などは空の棺で葬儀・告別式をなさるのですから、ご遺族が葬儀を行いたいのであれば献体に出している間でも問題なく出来ると思います」(chickenteriyakiさん)

 各医療機関によって対応に差があるものと見受けられるが、遺体そのものには例外はあるにしても短期間で返却して貰えるとの回答が多く、実際に親族を献体に供した回答者も居て、内容がある程度把握できる点がとても参考になる。

 ■献体に供するには献体登録が必要。しかし、制約も多い。

 では、ここからは葬儀にまつわるさまざまな問題に詳しい、心に残る家族葬を運営する葬儀アドバイザーにお話を伺ってみた。そもそも献体とは何なのか。献体に供した、または献体を希望した場合の終活についてである。

 「どんな物事にも始まりがあれば終わりもあるものですが、それは人も同様です。生まれれば、いつか亡くなります。しかしその晩年をどう過ごすかは非常に難しい問題です。私の知人に、葬儀はいらない、自分が死んだら献体すると言っていた方がいました。献体を希望される方の理由はさまざまですが、中には経済的なことを考えてらっしゃる方もいます。そんな方たちと同様に、その知人も余計なことをせずに、シンプルにこの世から消えたいと願った結果、献体を希望したのかもしれません」

 死ぬことが避けられない以上、どのように死ぬかが重要なのかもしれないが、そう言ってはいられない事情もある。それが、生前の人間関係なのだろう。葬儀アドバイザーの話は続く。

 「献体に登録するといってもさまざまな制約があります。まず献体には家族の同意が必要となります。誰か一人でも反対がでると、献体は受け付けてくれません。さらに、大学などが負担してくれるのは火葬にかかる費用だけで、葬儀を行う場合は遺族が手配することになります。それ以外では、献体は登録希望者の住む地域の大学や団体に限られています。これは、死後献体を搬送するのに時間をかけられないためなのです。最後に、経済的な理由のみで献体を希望することも基本的には受付不可となっているようです。勿論、これらの条件をクリアして無事献体に登録できたとしても、後に遺族の反対に遭うこともありえます。自分の思うように最期を迎えたいという気持ちは充分に理解できますが、それは個人の希望であって、残された家族の気持ちと一致するかどうかは別ということなのかもしれませんね」

 確かに、どのように死ぬかを個人で決めたとしても、残された家族にしてみれば、状況によっては容認できない場合もあるだろう。さらに葬儀アドバイザーの話は、実に興味深い内容になっていった。

 「最後に、献体を希望する方にとって残念な情報があります。それは一部の地域では、献体の受け入れ先が、献体数の増加によって、登録受付を停止しているそうです。これは遺族への遺骨返還が大幅に遅れることを防ぐことも考慮されているそうです」

 生きていくだけで、多様な問題を抱える。それだけでも大変なのに、死んでからも問題が発生し、希望通りに死ねないこともありえる。何とも世知辛い話ではあるが、もし献体を望むのであるならば、まずは最寄りの大学・団体が受け付けてくれているかどうかの確認を取った方がいいのかもしれない。その状況を踏まえ、確実で安心できる終活に繋げていくというのが無難なのではないだろうか。

 専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー

 故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安な家族葬を全国で執り行っている。

 (与太郎)

 教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

  • 献体の場合の葬儀について
  • 火葬のみについて
  • 手のひらに小宇宙を!神秘的な「宇宙ガラス」のアーティストに制作秘話を聞く!
  • Read more