【気になるこの症状】「水ぼうそう」のウイルスが大人になって再び暴れ出す「帯状疱疹」 早期に治療し重症化防止を

最初は体の片側の一部分に痛みが現れる。早めに受診して重症化させないことが大切だ

 子供の頃に発症した「水ぼうそう(水痘=すいとう)」のウイルスが体内の神経節に潜伏し、大人になって再び暴れ出す「帯状疱疹(ほうしん)」。体の片側の一部分に痛みが現れ、後に発疹や水ぶくれができる。早めに受診して重症化させないことが大切だ。

 【夏は免疫が低下】

 水ぼうそうが増える冬には帯状疱疹が減り、水ぼうそうが減る夏には帯状疱疹が増える関係にある。原因の水痘・帯状疱疹ウイルスに詳しい中野皮膚科クリニック(東京)の松尾光馬(こおま)院長が説明する。

 「逆の関係にあるのは、ウイルスにさらされる機会が減る夏は、すでに感染している大人の細胞性免疫が活性化しないからです。ですから、2014年から小児の水痘ワクチンが定期接種化されたことで水痘患者が減り、今後は帯状疱疹患者が増加するとみられています」

 発症は50歳代から増え、80歳までに3人に1人は経験するという。

 【皮膚症状出たら疑え】

 ウイルスは全身の神経節に潜むが、特に症状が出やすいのは「腹部」や「胸部領域」と「おでこ」。多くは体の左右の片側に現れる。

 「最初は皮膚症状が出る4~5日前に、ピリピリやチクチクした神経の炎症による痛みが出ます。そして、その部位にポツポツと赤い発疹が現れて、2、3日以内に水ぶくれも出てきます。重症例では、すぐ水ぶくれが出る場合もあります」

 最初の痛みだけのときに、整形外科や神経内科などを受診する人も多いが、それはそれで他の疾患の疑いを除外できるのでいいという。ただし、皮膚症状が現れたら早めに皮膚科を受診することが肝心になる。

 「最も困るのは、治った後に3カ月以上痛みが続く後遺症の『帯状疱疹後神経痛(PHN)』が残ることです。それを防ぐためにも、早期に治療を開始して重症化させないことが大切です」

 【ワクチン接種の効果】

 治療は、抗ウイルス薬の内服を1日3回、1週間飲む。痛み止めには、アセトアミノフェンやオピオイド、ステロイド内服薬を使う。それでも「高齢」「重症化」「急性期の痛みが強い」の要因があると、国内では2割の患者にPHNが残る。

 「PHNは神経の変性による痛み(神経障害性疼痛=とうつう)なので、『オピオイド』『抗鬱薬』『抗てんかん薬』などを組み合わせて治療します。どれくらいで、どの程度改善するかは個人差があります」

 16年には50歳以上を対象に帯状疱疹ワクチンの接種が可能になっている。しかし、費用は保険適用外で自費。効果のほどはどうなのか。

 「米国の報告では、発症が5割減り、重症化を6割防げます。50歳以上で帯状疱疹を経験していない人は接種しておいた方がいいでしょう」

 《帯状疱疹の症状の現れ方と受診のタイミング》
 (1)胸や腹、おでこなど体の左右の片側に痛みが現れる
 (2)4~5日して、その部分に赤いブツブツした発疹や水ぶくれができる
 (3)皮膚症状が現れたら、できたら3日以内に皮膚科を受診するのが理想

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