【ブラックジャックを探せ】誤嚥、難聴「年のせい」とあきらめずに相談を 荏原病院耳鼻咽喉科医長・木村百合香さん

木村百合香さん

★公益財団法人東京都保健医療公社 荏原病院耳鼻咽喉科医長 木村百合香さん

 東京都大田区東雪谷。閑静な住宅地に立つ荏原病院は、以前は「都立荏原病院」として親しまれた歴史のある病院だ。11年前、運営が現在の公益財団法人に移管されてからも、17の診療科と506の病床を持つ地域の中核病院として高度医療の提供に取り組んでいる。

 今年の春、ここの耳鼻咽喉科医長に就任した木村百合香医師は、耳鼻咽喉科の中でも特に「飲み込み」と「聴こえ」の機能改善を専門領域として臨床と研究に当たってきた経歴の持ち主。

 「誤嚥も難聴も“加齢”によるもの-と思われがちですが、中には別の理由から症状が起きていることもあります。また、治療やリハビリなど、医療的な取り組みによって機能が改善することもあるので、『年のせい』とあきらめずに相談してほしい」と語る。

 得意とする領域の中で、夕刊フジの中心読者層である中高年男性に多く見られるのは、突発性難聴やメニエール病、咽喉頭異常感症(のどの違和感)など。前の2つの疾患は早期で的確な診断と治療ができるかが予後を左右する。

 一方、のどの違和感は「メンタルのせい」と思われがちだが、時に腫瘍があったり、食道の炎症が原因となっていることもあるので、素人判断は禁物だ。「特に喫煙者は頭頸部がんのリスクが高いので要注意です」と木村医師は警鐘を鳴らす。

 制度上、同院を受診する際には、医療連携を取ることが求められる。耳や喉の症状で困った時は、かかりつけ医に「荏原病院の木村先生宛に紹介状を書いてほしい」と依頼してからの受診をお勧めする。

 「ここ(荏原病院)では、子供からお年寄りまで、専門領域にこだわらず、広く耳鼻咽喉科全般を診ています」

 耳ものども、そこに起きる症状は、どうしても“老い”を連想しがちだが、木村医師の笑顔と若々しい語り口は、それだけで不安を小さくしてくれる。

 高い技術と専門性、幅広い知識に加えて、「明るさ」を武器に、地域の健康維持に取り組む温かく頼もしい存在。荏原病院の医療圏に住む人が、ちょっとうらやましい。(長田昭二)

 ■木村百合香(きむら・ゆりか) 1973年、横浜市生まれ。98年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大耳鼻咽喉科入局。東京都健康長寿医療センター勤務を経て、2015年より昭和大学医学部耳鼻咽喉科准教授。17年より現職。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医・専門研修指導医・補聴器相談医、日本気管食道科専門医ほか。医学博士。趣味は「お肉の食べ歩き」

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