【麺喰いにつき】具にもスープにもたっぷりの野菜を使用、増殖する「ベジポタ」はいつから登場?

「ベジポタ」のつけめん(二代目めん屋秋もと)

 ラーメン用語で「ベジポタ」という言葉がある。野菜のポタージュ、つまりベジタブルポタージュを略した造語だ。では「ベジポタ」という言葉はいつ頃登場したか? 私の記憶では2009年に発行された「最新ラーメンの本」(石山勇人監修)だと思う。08年の同誌でも触れているがその際は「ベジポタ」という言葉は使っていない。

 ここで過去の例として挙げられているのが「天下一品」「せたが屋雲」。もちろんこの時もそういう言葉では言われてない。「せたが屋雲」に関しては店発信で「ソースラーメン」と言っていた。この時に「ベジポタラーメン」と言っていたらまた時代は変わっていたかもしれない。

 そしておそらくマスコミ初の「ベジポタ」特集で紹介されている店が「大ふく屋」「四代目けいすけ」「黒虎」「楽々」「みそや林檎堂」「三軒屋」「ヒムロク」「玉」「えん寺」「福は内」。その誌面の座談会で登場してくる他の店が「香門」(閉店)「東龍」「Ajito」「丸」。

 この中で一番“ベジポタ”っぽさを感じるのが「Ajito」と「えん寺」である。「えん寺」を初めて食べたときに「どこかに似てるな~?」と思いながら食べて、店を出た頃にそれが「Ajito」だと気が付いた。08年10月、「この系統は今後はやる」と思ったのだが私の頭にも「この系統」の名称が思い浮かばなかった。

 そして09年5月、「最新ラーメンの本」で「ベジポタ」が使われていて「やられた~」という気持ちと「これだ!」という思いが錯綜(さくそう)した。それから一気に「ベジポタ」という言葉とその系統の味が浸透していった。

 「二代目めん屋秋もと」は16年8月オープン。店名こそ付いていないがメニュー名にはいずれも「ベジポタ」と付けており、店頭でも「ベジポタ」を強調している。イタリアン出身でラーメン就業は無いようだが「えん寺」系列店で刺激を受け、オリジナルで作りだした味。店内のこだわりをまとめると「無化調。野菜のポタージュと白湯スープに特製カエシ(タレ)を使用。麺は北海道産小麦主体で独自にブレンドしたもの」。

 今年5月の初訪問時に注文したのはベジポタつけ麺。接客や提供方法がしっかりしていて好印象。具は別盛りになっている。とってもおいしかったがラーメンも食べてから記事を書こうと思っていたら4カ月もたってしまった。そして今回はベジポタラーメンを注文。予想よりゆるめのポタ感だったが甘めでおいしいスープ。ラーメン用の細麺もいい。完食完飲。どちらも実に個性的でオススメ。「ベジポタ」は今後も増えていくであろう。

 ■ラーメン耳寄り情報 二代目めん屋秋もと(世田谷区上町駅すぐ) 「ベジポタ」と名付けたラーメンとつけめんを提供。具にもスープにもたっぷりの野菜を使用。ラーメンは甘めの後を引くスープに細麺、つけめんはトロットロの濃厚スープに太麺。どちらもオススメ。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2017年3月現在で1万1950軒、2万3550杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。