【ブラックジャックを探せ】外科、内科、漢方で地域医療の水準向上に力 芝大門いまづクリニック院長・今津嘉宏さん

今津嘉宏さん

★芝大門いまづクリニック院長・今津嘉宏さん(55)

 東京都港区芝大門。「芝大門いまづクリニック」は、JR浜松町駅から徒歩10分のビジネス街にある「頭のてっぺんから足の先まで」をキャッチフレーズに、広範囲の初期診療とがんの補助療法を柱に地域医療に取り組む都市型診療所だ。

 院長を務める今津嘉宏医師は、長く大学病院や関連病院で外科医として症例を重ねる一方、漢方の研究にも没頭する。一見かけ離れた存在に見える「外科」と「漢方」を有機的に結びつけることに成功した稀有な存在。

 「西洋医学では歯が立たない症例でも、東洋医学なら何とかなる-というケースは確かに存在する。それを西洋医学の側の、しかも外科の人間がやるところに意味がある。手術で実際に臓器を手に持ち、その触感を知っているからこそわかる理解が生まれるんです」

 訪れる患者の層もさまざま。かぜや頭痛などの一般内科が4割で、残りの6割ががんに関連した患者。これも大きく3つに分けられ、がんの再発予防、抗がん剤などの治療が進行中の患者の支持療法、そしてセカンドオピニオンなどの「相談」だ。大学病院の救急外来で培った知識と技術を武器に、「何でも診られる先生」として、地域医療の水準向上に力を注ぐ。

 中でも漢方相談には全国から患者が集まってくる。診察時には話に耳を傾け、丁寧に説明したうえで、必要に応じて主治医に意見書を書いて渡す。遠隔地であれば、主治医に漢方薬を出してもらえるよう、医師同士のコミュニケーション強化も目指している。

 近隣のサラリーマンにとっても今津医師の存在感は大きい。胃カメラ検査を午前7時から始めることで、出勤前の時間を有効活用できるようにしているのだ。

 アメリカの「ホームドクター」の機能を、東京で実践する今津医師。外科、内科、漢方の“3本の矢”にかかる地域の期待は大きい。(長田昭二)

 ■今津嘉宏(いまづ・よしひろ) 1962年、名古屋市生まれ。88年、藤田保健衛生大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部外科入局。同大学病院や関連病院勤務。94年、東京都済生会中央病院外科勤務。2009年、慶大医学部漢方医学センター助教。13年より現職。現在、北里大、首都大学東京非常勤講師。日本胸部外科学会と日本外科学会認定医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本がん治療医認定医機構認定医・暫定教育医ほか。趣味はイラスト。

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