《zak女の雄叫び お題は「迷」》自分名義のマンションを買う女性、迷い捨てれば自由に

 都市部を中心にシングル向けのコンパクトマンションが増え、自分名義のマンションを持つ女性が増えているという。マンションをめぐる女性の生き方を描いた漫画「プリンセスメゾン」(池辺葵著)も話題だ。マンションを買った女性に「さみしい」「かわいそう」なんて言っていたら、時代遅れと笑われるかもしれませんよ。

 私自身は、10カ所近い賃貸マンションを渡り歩いてはや20年以上。転勤のある仕事ということもあり、分譲マンション購入などという「安定」は縁のないことだと思っていた。

 だが、人気漫画「プリンセスメゾン」を読むと、ここに出てくる女性たちが、かなりかっこいい。そこにあったのは、自分の生き方を決めた女性たちの「迷いのなさ」だった。

 「プリンセスメゾン」は平成26年8月に小学館の無料ウェブ漫画サイト「やわらかスピリッツ」で連載がスタート。昨年10月にはNHKBSプレミアムドラマになり、人気俳優、高橋一生さんが出演した。

 主人公、沼越さん(26)は居酒屋チェーン勤務、年収260万円。子供の時に両親を亡くして親類の家に引き取られた経験を持ち、アパートで一人暮らしをしながら自分のマンション購入という夢に向けて邁(まい)進(しん)する。担当編集者は「生きることの孤独を肯定し、自由を与えてくれるような女性の描き方が、読者に癒やしと勇気を与えている」と説明する。

 一昔前は、女性が自分名義のマンションを購入するためのハードルは高かった。昭和50年代、26歳で自分名義のマンションを買おうとした女性は「女性は35歳にならないとローンの申し込みができない」と言われ、婚約を偽装。入居後に夫が同居しないことをとがめられて「破談になった」と言い訳したが、「1年以内に結婚相手を見つけて」と言われたという。

 だが、今では年収が同じなら、家族持ちの男性よりもシングル女性の方が住宅ローンも通りやすい。可処分所得が高いからだ。さらに、都心部では1LDKなど単身向けのコンパクトマンションが増加。加えて住宅ローン金利がかつてないほど低く、女性のマンション購入を支援する「女性のための快適住まいづくり研究会」によると、今年、自分名義のマンションを購入する女性は過去最高の規模になる見込みという。

 かつて、マンションを購入する女性といえば、30、40代のキャリアウーマンというイメージだった。それが今は、20~70代、派遣社員やパートの人まで層が広がっているという。実際にマンションを買った20代の会社員女性の「買ってよかった。自分の資産にもなる」との笑顔がまぶしかった。

 同研究会によると、女性がマンションを買う場合の鉄則は、「無理をしてはいけない」。今払っている家賃と月々の貯金よりも、ローンや固定資産税、修繕積立金、管理費などが高くなるのはNG。そして、もしも結婚や親の介護などで住めなくなった場合に、ローンなどよりも高い家賃で人に貸せる物件を選ぶことが肝心という。

 分譲マンションの購入はけっして「安定」ではなく、いわば「迷いを捨てて、手堅く攻める」ことなのかもしれない。(K)

 大阪の生活記者、40歳。最近、分譲マンションのチラシを食い入るように見てしまいます。

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。10月のお題は「迷」 です。