記事詳細

ノーベル賞の晩餐会で供される福寿の日本酒! 酒蔵は年間12万人が訪れる「酒のテーマパーク」 (1/2ページ)

★灘の手づくり蔵「福寿」(上)

 灘酒というと、どうしても大量生産のパック酒というイメージがついて回るが、手づくりの小さな蔵もちゃんとある。そんな蔵のひとつが「福寿」だ。

 神戸に詳しい人なら、「神戸酒心館(しゅしんかん)」と言った方が、通りが良いかもしれない。灘に立ち並ぶ大手メーカーも、それぞれ試飲販売所や史料館などを併設していて、それなりに楽しめるのだが、福寿の蔵の代名詞「酒心館」は、その中でもひときわ群を抜いている。

 充実した酒蔵ショップがあり、たっぷり試飲ができるほか、奥に生酒の量り売りコーナーや、バーカウンターなどもある。また、蔵の中にある料亭「さかばやし」では、本格的な蕎麦会席や神戸ビーフ会席とともに、福寿のお酒を堪能できるのだ。

 さらに素晴らしいのは、見学コースが作られていて、ガラス越しにではあるが、酒づくりを実際に見ることができること。試飲販売所はあっても、見学コースがある酒蔵はなかなかない。まさに「日本酒のテーマパーク」であり、今では国内外から年間12万人が訪れる人気の観光コースとなっている。

 「なんだ、ただの観光蔵じゃないか」というのは早計である。10年ほど前から、本醸造や普通酒から特定名称酒へと、量から質への転換をはかり、宮水(みやみず)を使って丁寧に手づくりされた酒は、灘酒の王道を行く。

 その旨さは海外からも高く評価されていて、福寿の純米吟醸は、ノーベル賞の晩餐会で供される唯一の日本酒となっているのだ。

 もともと灘の小さな造り酒屋だった福寿。それが酒のテーマパークとして生まれ変わったのは、20年前のことである。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう