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師匠「これはひどい」…香りとキレ求め“柔らかい水”探し (1/2ページ)

★名水で醸す奥信濃の銘酒「水尾」(上)

 飯山市は長野県で一番人口の少ない市だ。かつては飯山線というローカル列車しか通っていなかったが、近年北陸新幹線が開通し、東京から2時間かからずにアクセスできるようになった。

 この地で地酒「水尾(みずお)」を醸す田中屋酒造店の田中隆太社長は、こう夢を語る。

 「(米カリフォルニア州)ナパのワイナリーを訪ねて、日本でも本格的な酒蔵ツーリズムをやるべきだと思いました。まず現在の試飲販売所をリフォームして、オシャレなテイスティング・カウンターを置くんです。そして蔵の上にある座敷をきれいにして、地のものを使った料理と地酒でおもてなしをする。少人数の予約のみで、酒蔵や田んぼも見学してもらいます」

 飯山に帰郷して25年、蔵は年10石ペースで成長を続け、パーカーポイント(米著名ワイン評論家の評価)が純米吟醸に91点をつけるほど、酒質も向上した。だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。

 数学や物理が好きで、蔵を継ぐ気もなかった田中社長は、東京の大学で経済を学び、コンピューターの仕事に就いていた。だから結婚を機に親から「帰ってこい」と言われたときは、正直困惑した。

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