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創業以来一貫する“米旨口”へのこだわり 辛口全盛時代に際立つ“甘口”の個性 (1/2ページ)

★米の旨味にこだわる甘口酒「嘉美心」(上)

 広島県との県境に近い岡山県浅口市の寄島(よりしま)町は、古くからの酒どころで、備中杜氏のふるさとだ。最盛期には400人もの杜氏が、2000人以上の蔵人を従え、灘を中心に全国の蔵へ酒づくりのためここから旅立っていった。

 ここに大正時代から蔵をかまえるのが嘉美心(かみこころ)酒造である。蔵の隣には寄島酒造会館があり、備中杜氏の研鑽の場となっていたほか、全国の蔵元へ赴く前には、嘉美心の酒を飲みながら、決起集会が行われていたという。

 備中流には、米をふんだんに使い、粕歩合を多くして、米の旨味を残す酒づくりが伝わっている。

 「日本人は伝統的に米を食べる民族なので、米の旨味、とくによく噛んだ米の甘さを美味しいと感じるものなのです。だからうちの酒は、米旨口を標榜する甘口。ぜひご飯を噛みしめるように飲んでほしいですね」

 そう語るのは5代目蔵元の藤井進彦社長だ。たとえば日本酒の甘辛を表すのに日本酒度という指標があり、プラスが辛口、マイナスが甘口になる。通常の日本酒はだいたいプラス3くらいだが、嘉美心の平均日本酒度はマイナス4・5と数値的にもかなり甘い。

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