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30年前とは“治療効果”が雲泥の差な「HIV感染症」 感染判明時点での治療開始が重要 (1/2ページ)

 HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の保健所などでの公的検査数が減る一方、民間の郵送検査数が増えていることが厚労省の調査で分かった。いまは感染しても、きちんと薬を飲んでいれば普通に性生活を送れ、エイズの発症で亡くなることも非常に少なくなっている。

 【治療効果が飛躍】

 HIVは感染者の精液や腟分泌液、血液などに含まれ、感染経路の約9割は「性行為」だ。感染すると、細菌やウイルスから体を守っているヘルパーTリンパ球を死滅させ、免疫力を破壊する。しかし、治療法の進歩はめざましい。豊島病院・感染症内科(東京都板橋区)の味澤篤副院長が説明する。

 「1日1回、抗ウイルス薬を1錠飲んでいればウイルスの制御率は99%以上。性交によってパートナーにうつす心配も非常に少ない。ですからHIV感染症は、いまは『慢性疾患』の扱いになっています」

 完治はしないものの、30年前と比べると治療効果は天国と地獄ほどの差があるという。

 【注意するのは合併症】

 HIVに感染して未治療のまま放置すると、本来なら自分の免疫力で抑えることができる日和見(ひよりみ)感染症などを発症するようになる。指標となる23疾患の1つでも発症すれば、エイズ発症と診断される。HIV感染が分かった時点で治療を開始することが重要になる。

 「たとえば25歳で感染して治療を開始したとしても、余命は感染していない人と同じ(75歳以上)です。ただし、長く感染していると他の合併症にかかりやすいので、いまの主たる死因は合併症によるものです」

 他の合併症とは、生活習慣病、がん、脳梗塞や心筋梗塞、肝疾患、慢性腎臓病などだ。

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