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真の地酒づくり 「幻の米」復活させた利守酒造、全国に「雄町」の名を知らしめる (1/2ページ)

★利守酒造 (上)

 銘酒「酒一筋」などで知られる利守(としもり)酒造は岡山県の東南部、赤磐市西軽部にある。最寄りの駅まで行くと、専務の利守弘充さんが車で迎えに来られていた。途中で「ちょっとここへ寄りましょう」と農協の駐車場へ。そこには「頌徳之●(=口へんに卑)」と書かれた立派な石碑が建っていた。

 「これは大正13(1924)年から昭和9(34)年まで軽部村の村長だった加賀美章氏をたたえる石碑です。軽部村は古くから、最も質の高い雄町(おまち)米が育つ地として知られていました。加賀美村長は、雄町米の素晴らしさを全国の酒蔵へ伝え広めた功労者なのです。おかげで雄町の評価は高まり、昭和初期には、鑑評会で入賞するためには雄町でなければ不可能とまで言われました」

 しかし背が高く育てにくい雄町米は、戦中戦後を経て減少の一途をたどり、いつしか幻の米となっていったという。

 その米をなんとか復活できないかと立ち上がったのが、利守専務の父であり、4代目蔵元の忠義氏だった。

 地米・地の水・地の気候風土で醸した酒が、真の地酒であると考えた忠義氏は、地元の農協、町役場、農家を一軒一軒訪ねては、雄町米の素晴らしさを説いて回った。真の地酒をつくるため、熱心に協力を願い、説得を続けたのだ。

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