記事詳細

相続税対策での素人アパート経営 大きな落とし穴も (2/3ページ)

 「まず、不動産の売買には多額のコストがかかります。手数料だけで3%取られるのが相場で、消費税も相当な額になる。しかも、建物は購入した瞬間から市場での資産価値が減じる。節税分が吹き飛ぶような損失を被ってしまう場合もある」

 大村氏によると次のようなケースもあるという。元大手商社マン・O氏は現役時代にコツコツと蓄えた約1億円の預貯金があった。相続税増税への不安もあり、不動産業者の勧めるアパート経営を決断。業者の推奨に従って5000万円で土地を購入し、4000万円で建物を建てたという。

 「ところが建設から数年経っても、入居率は50%を割ったまま。建てたワンルーム6部屋のアパートが駅から距離のある場所で、ターゲットの学生に敬遠される物件になってしまった。

 建物のローン返済に、不動産業者へ払う手数料、固定資産税もかかるし、修繕積立金も考えなくてはならない。建物を売ろうにも、業者から“売るなら3000万円程度がいいところ”といわれ、買った時から1000万円以上値が下がってしまっていた」(同前)

 結果的にアパートを手放した上に、建物のローンだけが残り、最終的に自己破産する「相続破産」のようなケースもあるという。

 大村氏は、「重要なのは自らの相続税のシミュレーション」と強調する。このO氏の場合でも、「1億円の預貯金」と聞くと、相当な資産家で多額の相続税を納めなければならないように思えてしまうが、決してそんなこともない。

NEWSポストセブン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース