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【安達純子 病院探訪】大腸がんに強い 高度技術ESDの人材育成、検診受診率の向上目指す 国立がん研究センター中央病院・内視鏡センター (1/2ページ)

 食の欧米化などにより国内で増加傾向の大腸がん。大腸内視鏡検査で、前がん病変や早期がんを発見して切除することで、大腸がんになる人や死亡率を減少させることが分かっている。

 「日本は、早期診断や治療は世界トップレベルですが、大腸がん検診の受診率は、世界的に見て低いと言わざるを得ません。この状況は変えなければなりません」

 こう話す国立がん研究センター中央病院内視鏡センターの斎藤豊内視鏡センター長は大腸内視鏡診断・治療のスペシャリストである。

 現在、自治体が実施する大腸がん検診の便潜血検査の受診率は半数に満たない。1回でも陽性になった場合は、精密検査の大腸内視鏡検査を受診することが望ましいが、その受診率も高いとはいえない。大腸がん予防に対する意識は低いままだ。

 一方、早期発見・早期治療の方法は格段に進展している。最先端の診断と治療をいかに早期発見につなげるか。そのために尽力しているのが同内視鏡センターだ。

 内視鏡治療のナショナルセンターとして、厚労省と連携したがん対策を進め、人材育成や新たな医療機器の開発などにも貢献している。

 斎藤センター長は2センチ以上の早期がんに対する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を得意とする。がん病変の下に液体を入れて、病変を筋層から浮き上がらせ、電気メスで周囲健常粘膜も含めて切除する。大腸の壁は1ミリ程度と薄いため、薄皮を剥ぐようなESDは高度な技術を要す。

 再発病変や10センチ以上の難易度の高い治療も行う。その手腕を学ぼうと、年間100人以上の医師が海外から見学に訪れるほどだ。

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