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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】安くてうまい無濾過の酒が大評判 長野『岩波』の杜氏「金賞をどう市販酒に生かすかが勝負」 (1/2ページ)

★長野県「岩波」(下) 

 長野・松本の地酒「岩波」を醸す杜氏の佐田直久さんは、元金融関係の営業マン。20代の頃、松本への転勤を機に、地酒の蔵人に転身した。それから20年以上が経ち、杜氏を任されてからは5年になる。

 「半年間休みはないし、体はキツい。でも心は確実に喜ぶやりがいのある仕事です。ひたすら、おいしい酒をつくろうと頑張ってきました」

 3年前には関東信越鑑評会で、長野県1位を獲得。そして今年は全国新酒鑑評会で堂々の金賞受賞と、杜氏になってから立て続けに結果を出している。

 その片鱗は、蔵人時代からあった。2003年、佐田さんが中心になって「岩波」とは別ブランドの「鏡花水月」を立ち上げたのだ。オシャレなラベルで、若者や女性を意識した味。今では全国から引く手あまたで、全日空国際線の機内で提供され、横綱・日馬富士お気に入りの酒としても知られている。

 飲んでみると、旨味とコクがしっかりあるが、後口はスッキリ。味がありつつ飲みやすい酒はつくりが難しいが、なかなかの腕前である。

 目下取り組んでいるのは無濾過の酒。無濾過は重たくなりがちだが、そこを味は残しつつ、キレイな酒に仕上げるのが杜氏の腕の見せどころだ。

 評判のおかげで無濾過生原酒の純米酒と本醸造のセットは、一番人気の商品に育っている。そこで満足することなく、次に佐田さんがつくったのは、なんと普通酒の無濾過。これが全国の日本酒ファンに、「安くてうまい酒」と大評判になっているというのだ。

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