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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】小さな蔵から世界へ銘酒の魅力発信 観光客ウエルカムの長野県「アルプス正宗」 (1/2ページ)

 海外のワイナリーなどと比べると、日本酒の世界はまだまだ閉鎖的だ。すべての蔵が、見学や試飲ができるわけではないし、客が来ることを好まない蔵も存在する。

 そんな中、長野・松本の亀田屋酒造店は、積極的に内部を公開している「観光客ウエルカム」の姿勢である。以前は大型バスで来る団体のツアー客が多かったが、最近は個人の旅行者が増えた。

 先日訪れたときも、数人の女性が試飲をして、お土産の酒をにぎやかに選んでいた。聞けばハワイから観光に来た日系人なのだとか。流暢(りゅうちょう)な英語で対応するのは、6代目蔵元の竹本祐子さんだ。

 「外国人観光客は、ここ数年でものすごく増えましたね。松本市内からタクシーで15分くらいですし、松本電鉄上高地線の最寄り駅から歩いて5分なので、みなさん気軽に来られます。自転車で来られたヨーロッパの方もいらっしゃいましたよ」

 では、私も試飲を。銘柄は、アルプス山系の伏流水で醸した「アルプス正宗」。周囲の村人が川の水を飲んでいた時代に井戸を掘り、以来ずっとそれを仕込み水にしているという。

 鑑評会で金賞を取った大吟醸は、ふくらみと奥行きがあり、間違いない旨さ。秀逸だったのは、「風穴(ふうけつ)」という純米酒だ。上高地へ行く途中にある冷涼な風穴で瓶貯蔵した酒で、米の旨味があってスッキリ。そこには丁寧につくられた酒特有の品があった。

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