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【安達純子 病院探訪】胃がんに強い 胃の上部だけを切除し下部を残す低侵襲治療、がん・感染症センター都立駒込病院 (1/2ページ)

 胃がんに対する最先端治療を積極的に行っているのが、東京都文京区にあるがん・感染症センター都立駒込病院の外科(胃)だ。

 胃の上部がんでは、一般的に胃を全部取り除く手術が行われる。胃の上部だけを切除すると、食道につながる噴門(ふんもん)が失われることで、胃酸が食道へ逆流しやすくなるからだ。しかし、近年、技術の向上により胃の上部だけを切除して下部を残す手術も、行われるようになってきた。同病院はこの分野に強く、キズの小さな腹腔鏡下手術など低侵襲治療を得意とする一方、ステージ3の胃がんでは術前化学療法といった臨床試験も手掛ける。

 「噴門を切除しても、縫い方を工夫すれば胃の上部だけの切除は可能です。最近は、噴門周辺に生じる胃がん(接合部がん)も増えていますので、なるべく残せる部分は残したいと思っています」

 こう話す長晴彦部長は、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の胃がんグループのメンバーとして、臨床試験を数多く行う。

 「接合部がんは、もともと欧米に多い胃がんです。胃がんの最大要因といわれるピロリ菌の除菌が国内で普及するにつれ、日本でも接合部がんが増えています」

 長部長は、今年4月に現職になる以前、神奈川県立がんセンター時代に、低侵襲手術や進行がんに対する集学的治療を行う一方、栄養部と協同で術後の栄養指導にも力を入れていた。胃を全部取ると、手術前と比べて食事量が減り、体力の低下を招きやすいからだ。がんを根治し、手術前のQOLを維持するための創意工夫について、思いを巡らせている。

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