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【日本人の死因3位!肺炎を招く「誤嚥」の恐怖】嚥下機能の低下から肺炎に至るのは、70代以降が圧倒的に多い (1/2ページ)

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 前回まで、老化に伴う体力の低下が「咳」の威力を低下させること、また免疫力の低下が肺炎のリスクを高めることを解説してきた。言い換えれば、年を取るということは、ほぼ無条件で誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高まることを意味しているということだ。

 「がんなどの重大疾患は別として、人が自然に亡くなる、つまり老衰で死ぬ時、その多くが心不全か誤嚥性肺炎によるもの-といっても過言ではない」と語るのは、神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科部長の萩原恵里医師。

 最近は見られなくなったが、以前は著名人の訃報で、「死因は心不全」と発表することが多かった。しかし、医学的には、心不全は病気ではなく心臓が正常な動きをしていない“状態”を指す用語。死ぬときの人の心臓は、すべてが必ず心不全なのだ。それと並べて遜色のない存在として誤嚥性肺炎があるということは、誤嚥性肺炎が高齢者にとって、いかに「死」と隣り合わせの病気であるかが分かる。

 「脳梗塞や脳出血などの後遺症で嚥下(えんげ=飲み下す)機能が落ち、誤嚥を引き起こして肺炎になる人には若い人もいます。ただ、そうでなく嚥下機能の低下から肺炎に至るのは70代以降が圧倒的に多い」と萩原医師。

 では、最初に誤嚥に気付くきっかけとは、どんなものなのだろうか。

 「食事中や飲み物を飲んでいるときに、むせることが増えて気付くことが多く、進行すると気管に何かが入り込んでもむせなくなってしまう。こうなると誤嚥性肺炎を繰り返すことが多くなります。特に液体、中でも“水”には要注意です」(萩原医師)

 事実、誤嚥を訴える患者に対して病院や高齢者施設で出される食事には、ゼリー状の“とろみ”を付けたものが多い。これも誤嚥性肺炎の予防法の一つではあるが、最終手段であって、現役世代のお父さん、お母さんたちが取り入れるのはまだ早い。

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