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【ドクター和のニッポン臨終図巻】名前に負けない働き者に学ぶ老衰の定義 第80代首相・羽田孜氏 (1/2ページ)

★羽田孜氏(21)

 戦前生まれの政治家がまた一人旅立ちました。第80代首相・羽田孜氏。まもなく戦争を知らない人だらけの国会になると思うと一抹の不安を覚えます。

 首相在任期間は64日間。現憲法下の内閣では最も短命政権だったことから、当時推奨していた半袖スーツの省エネルックと相まって、「袖も任期も短かった」と揶揄(やゆ)されていました。

 しかし、その後も小沢一郎氏と新進党を結成。小沢氏と対立後には太陽党へ、さらには民政党を経て民主党の結成など1990年代の政治のうねりの中で先陣を切って走っていたイメージがあります。名前の孜は「孜々(しし)として働く」から取ったそうで、政治手腕の評価は分かれるところですが、名前に負けない働き者だった印象があります。

 また、政治家の世襲は認めないとし、息子を後継者にしなかったことは立派です。今、この国は政治家も医者も二世、三世だらけ。全否定はしませんが、頼りない人間が増えているのは事実です。

 そんな羽田氏に異変が起きたのは2007年ごろ。しゃべり方や歩き方が遅くなり、脳梗塞と噂されていました。12年に政界を引退。多発性脳梗塞の治療に専念します。もしかすると脳梗塞に引き続いて起きた脳血管性認知症も発症していたのかもしれません。

 そして引退から5年が経過した今年8月28日、82歳で亡くなりました。死因は老衰。「82歳で老衰なんて、早くないですか?」という質問が、私のところにもいくつか寄せられました。

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