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【大崎裕史 麺喰いにつき】長渕ファンが出店した「Tombo」は伝統の“歩かせる”味 (1/2ページ)

 ラーメン店主には矢沢永吉ファンが多い。というか目立つ。店名がそれらしかったり、BGMがずっと矢沢永吉だったり。そして長渕剛ファンも少なくない。最近また1人、長渕ファンが店を出した。9月2日、吉祥寺に開店した「Tombo」である。店名からなんとなくそんな予感はしていたが当たっていた。店名の由来の一つは長渕剛が1988年に出演したTVドラマ「とんぼ」、そしてその主題歌であり、元プロ野球選手・清原和博の入場テーマ曲でもあった「とんぼ」からきている。

 もうひとつの由来は「トンボは前にしか進まず退かないところから『不退転』の精神を表すものとして『勝ち虫』とも呼ばれている縁起の良いもの」という意味もあるところから取ったようだ。長渕の歌からというのは予想できたが「勝ち虫」までは読めなかった。いや、「とんぼ」にそんな意味があることすら知らなかった。

 メニュー名は修業先である「地雷源」(方南町にあったが閉店)の「我流旨味ソバ」に倣って「旨味ソバ」となっている。この「地雷源」は本当においしく、今でもファンが多い人気店であった。売れなくて閉めたのではなく、手間と原価がかかりすぎるための閉店であった。その味に憧れ、8年修業をした榎本直記さんが、その味の系譜を繋いだのである。

 今回の注文は味玉醤油の旨味ソバに皮ワンタンをトッピング。豚骨、丸鶏の動物系と魚介を組み合わせた清湯醤油は甘く優しいスープで今はなき「地雷源」を伝承する流れのスープ。まったく同じではないがバランス良くまとめあげたホッとするおいしさ。麺は三河屋製麺の細ストレート。あえて柔らかめの茹で上げだがスープを吸ってその持ち上げがよく、すすり心地もなめらか。実に合っている。トッピングのチャーシュー、味玉、皮ワンタン、白ネギ、青ネギ、メンマ、海苔もそつなく、それぞれの役割を果たしている。

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