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【安達純子 ロボット手術最前線】小さなキズで内胸動脈を移し取れる「冠動脈バイパス術」 世界的にも進展はこれから (1/2ページ)

 心筋梗塞は、心臓の太い3本の血管が詰まり、血流が滞って心筋が壊死(えし)することで命に関わる。血流を再開する手術では、新たな血液の通り道として、他の場所から取ってきた血管を用いた「バイパス術」が行われるのが一般的だ。この連載では以前、ロボット支援下手術による心臓の僧帽弁閉鎖不全症の手術への応用を紹介したが、冠動脈バイパス術についてはどうなのか。

 帝京大学医学部附属病院心臓血管外科の下川智樹主任教授が言う。

 「当科では、冠動脈バイパス術において人工心肺を使わない『オフポンプ』手術を実施しています。心臓を動かしながら手術をするため、触覚のないロボット支援下手術よりも、今のところ、血管をつなげる部分は自らの手で行う方が確実です。しかし、血管を別の場所から取るときには、ロボット支援下手術の使用は有効だと思います」

 下川教授は冠動脈バイパス術の一部で、ロボット支援下手術を実施している。この冠動脈バイパス術では、左胸下の小さなキズでアプローチする低侵襲手術も行われている。バイパスとしては胸に位置する内胸動脈2本を使用し、さらに血流再開が必要な部分は、血管から細い管を通してステント(細い筒状の医療機器)を詰まった箇所に置く。ステントを用いた治療は循環器内科医が得意とし、心臓血管外科医とのコラボレーションでハイブリッドな治療を行っているのだ。

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