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【感染拡大!腸管出血性大腸菌O157を防ぐ】乳幼児や高齢者はなぜ重症化するのか 激しい下痢や血便で急激に進む脱水症状、低下する腎機能 (1/2ページ)

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 腸管出血性大腸菌O157の感染拡大で、3歳の女の子が亡くなっているが、過去の集団感染でも、O157は、しばしば乳幼児や高齢者などの命を奪ってきた。その原因となるのが、O157感染に伴う「溶血性尿毒症症候群(HUS)」だ。

 O157が腸管内で産生するベロ毒素により、下痢・血便、血小板の減少に伴い出血しやすくなって、さらには腎機能も低下してしまう。では、なぜ乳幼児や高齢者はHUSを引き起こしやすいのか。

 「O157では、水溶性の激しい下痢や血便により、急激に脱水症状が進みます。お子さんや高齢の方は水分補給の力が弱く、脱水症状が進行して急性腎不全を起こしやすいと考えられます」と、東京慈恵会医科大学感染制御科の堀誠治教授は説明する。

 人間の体は約60%の水分量を保持するといわれ、脱水症状で血液量が激減すると、腎機能は低下してしまう。腎臓は、たくさんの血液を使って、体に必要な成分と不必要な成分を仕分けしているため、血液量が急激に減ると機能が落ちるのだ。人体に悪影響を及ぼす尿毒素が排出されなくなると、心臓や脳などにも障害を引き起こし、命に関わる事態になる。

 「お子さんや高齢の方が水溶性の下痢や、それに伴う血便になったときには、早めに医療機関を受診することが重要です。点滴で水分を補うなど、早期に適切な治療を受けることが望ましいといえます」(堀教授)

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