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【世界遺産旅行講座】日本と類似ピラミッドの謎 インドネシア「ボロブドゥール遺跡」でイマジネーション駆使 (1/2ページ)

 ピラミッドといえば前回ご紹介したエジプトを連想しますが、昭和の初期に「日本にも数多くのピラミッドが存在する」と主張した人がいます。広島県の山中にある葦嶽山を「日本ピラミッド」と断定した酒井勝軍(かつとき)氏がその人で、酒井氏は古代文明を記した奇書「竹内文書」を研究しつつ、「ピラミッドには頂上付近に球形の太陽石とそれを取り巻く環状列石がある」といった独自の日本ピラミッド説を展開されました。

 実際、奈良県の史跡「頭塔(ずとう)」などは7段の階段状石積み構造をしていてまさに日本のピラミッドです。そして東西南北の各面に石仏が配置されており、建てられた年代が8世紀であることから、インドネシアのボロブドゥール遺跡を連想させます。

 ボロブドゥールはジャワ島中部のケドゥ盆地にある世界最大級の仏教系「ピラミッド型石造寺院」で、8世紀にジャワを統治していたシャイレンドラ朝によって建てられました。この遺跡は自然の丘に盛り土をしてその上に安山岩のブロックを積み重ねた空積み構造で、遺跡内部には空間がないのが特徴です。構造的には外周の基壇、回廊をもつ5層の方壇、そしてその上の3層の円壇からなり、全体で9層の階段ピラミッドを形成しています。

 これらの構造物は『仏教の三界』を表しているとされ、基壇は人間のいる煩悩で生きる「欲界」、方壇は神と人間が触れ合って悟りを求める「色界」、円壇は神のいる物質世界から解脱した「無色界」を表現しているといわれています。この意味は、人は下から上に登っていくにつれ、欲望に満ちあふれた世界から禅定の世界へ、すなわち悟りを目指す菩薩の修行を表現しているのです。

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