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【日本は「中蔓延国」 流行が続く結核との攻防戦】いまも年間1万7000人以上が罹患 過去の感染率の高さが尾を引く日本 (1/2ページ)

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 かつては「亡国病」と恐れられ、1950(昭和25)年まで日本の死亡原因の第1位だった「結核」。その後の患者数は減少を続けているが、それでも昨年の新規患者は1万7625人、1889人もの死者がいる。

 日本は欧米先進国の「低蔓延(まんえん)国」(罹患率人口10万人あたり10人以下)のレベルに至っていない。現在の日本の人口10万人にあたりの罹患率は13・9人と依然「中蔓延国」のまま。何が原因なのか。結核予防会結核研究所の加藤誠也所長が説明する。

 「そもそも欧米先進国と日本では、罹患率を比較した出発点の状況が全然違います。現在、罹患率2・8と最も低い米国の50年代初頭の罹患率は53でした。一方、当時の日本の罹患率は532と10倍多かった。その後、日本は60~70年代に10%減少させましたが、同年代の米国の減少率は5~7%です。現在の減少率は4~5%で、米国と同程度です」

 結核は感染しても1、2年のうちに発病する人は10%前後。残りの人の菌は体内にとどまり冬眠状態となる。うち10%前後の人が数年から数十年たって免疫が落ちたときに発病する。日本は戦後の混乱期に成人の90%が結核に感染していた。

 「結核は社会的要因が影響する病気で、日本がいまでも中蔓延国であるのは、過去の感染率の高さが尾を引いている。実際、いまの結核患者さんの3分の2は65歳以上、半数が75歳以上の高齢者です」

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