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【日本は「中蔓延国」 流行が続く結核との攻防戦】早期受診と薬の服用厳守が鉄則 排菌中は入院治療、せき症状がなくなっても油断禁物 (1/2ページ)

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 結核菌の空気感染によって肺が侵される「結核」。発病を疑うポイントは「2週間以上続くせき」で、早く受診して鑑別することが周囲への感染拡大を防ぐことになる。しかし、受診が遅れるケースは少なくない。結核病床をもつ指定医療機関である国立病院機構東京病院・呼吸器センターの永井英明部長が警告する。

 「結核で、せき症状が出てから2カ月以上も遅れて受診する患者さんが2割くらいいます。加えて、医療機関を受診しても診断がつくまで1カ月以上も遅れるケースが約2割あります。こうなると患者さんが排菌している場合、3カ月以上も周囲に結核菌をばらまいていることになります」

 ほとんどの結核の病変は肺に現れるので、通常、医療機関のレントゲン検査で結核の疑いがあれば、たいがい結核の指定医療機関へ送られる。結核菌に感染しているかどうかは血液検査で分かる。発病して排菌しているかどうかは、タンの中の結核菌を調べる喀痰(かくたん)検査で分かるという。では、どのような治療が行われるのか。

 「治療は薬物療法ですが、排菌している間は入院治療になります。標準治療は、最も強力な2剤を含む4剤の一次抗結核薬を1日1回、2カ月まで飲み、それ以降は2~3剤を6カ月まで飲みます。その間に3回の喀痰検査をして、排菌が止まれば外来で服用を続けます。入院期間は平均1~2カ月です」

 薬の選択には、培養した結核菌の「薬剤感受性検査」の情報が重要になる。これは個々の患者にどの薬が有効か、また耐性をもっていないか調べる検査で、複数の薬に耐性がある場合は治療内容や期間が異なってくる。

 標準治療で使われる最も強力な2剤に耐性があると「多剤耐性菌」と呼ばれている。昨年の新規結核患者のうち、多剤耐性菌だった割合は0・5%と報告されている。

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