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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】世界見据え「地酒」にこだわり 海外も注目、世界的シェフと共同開発も (1/2ページ)

★石川県「日榮」(下)

 日榮(にちえい)は、200年続く石川・金沢の地酒。「酒は災いを避け、笑門来福、日々榮える」という言い伝えの「日」と「榮」を酒名にした。

 蔵元・中村酒造の中村太郎社長によると、加賀藩には長らく居酒屋などの外食産業はなかったそうだ。外様大名ゆえ、人々が集まる場所を作ると、集団で何かを企んでいると幕府にみなされ、お家取りつぶしになりかねない、と恐れたのだ。

 やっとできた外食産業はうどん屋と料亭だったが、茶懐石では伝統的に日榮が使われていたという。今でも日榮は料亭の酒で、ラベルが出ないので知る人は少ないが、金沢のお座敷文化を代表する茶屋街で、長年親しまれている酒なのだ。

 中村社長が目指しているのは、地の酒としての「地酒」をもっと極めること。それが米へのこだわりとなった。

 ひとつは有機純米酒「AKIRA」。契約栽培農家の名前を冠したこの酒は、日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパで有機認証を取得している。飲んでみると、ヨーグルトのような香りで、味わいはコクがあり香ばしい。米の底力がわきあがってくるような感じだ。

 もうひとつは「石川門」。こちらは地元の米の名前を冠している。甘酸っぱい味わいで、しっかりとした米の旨味が伝わってくる。

 このほかに「客人(まれびと)」という、石川県羽咋市神子原(みこはら)の希少米を使った酒もつくっており、これはローマ法王に献上されたそうだ。

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