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【日本は「中蔓延国」 流行が続く結核との攻防戦】「超多剤耐性結核」は外科手術で対応も…薬物治療の効果を高める目的 (1/2ページ)

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 結核の中には、標準治療で使われる最も強力な2剤の抗結核薬に耐性をもつ「多剤耐性結核」がある。昨年の新規結核患者の国内データで見ると、その割合は0・5%。この中には、さらに効かない薬の種類が多い「超多剤耐性結核」も含まれる。

 これらの患者は治療が難しくなるので、ほとんどは結核の外科治療まで対応できる専門病院へ送られる。しかし、その施設は国内でも数カ所しかない。厚労省が指定する「高度専門施設」となると、「結核予防会複十字病院」(東京都清瀬市)と「国立病院機構近畿中央胸部疾患センター」(大阪府堺市)の2施設だけだ。

 どういう場合に外科治療が行われるのか。結核予防会複十字病院・呼吸器センターの白石裕治センター長が説明する。

 「多剤耐性だからといって、すべてが外科治療の適応になるわけではありません。むしろ、近年はよく効く新しい抗結核薬が出てきているので、手術件数は減っています。まずは使える薬を組み合わせて3カ月間治療し、その後に手術が必要か検討します」

 結核菌を吸い込み、肺に住みつき発病すると、レントゲンで白いドーナツ状の白い影が映る。この部分は結核菌によって肺の組織が溶かされ、ドロドロの状態で空洞になっている。ここに結核菌が多く繁殖している。手術の適応になるのは、主に次の2つだ。

 (1)3カ月間、薬で治療しても排菌(タンに菌が含まれる)が止まらない(2)排菌が止まっても再発する危険性が高い場合、例えば空洞が消えずに残っている、高度耐性で効く薬が少ない場合だ。

 「手術するケースで多いのは(2)です。いまは手術の3分の2は、これら再発のリスクが高い症例です。ただし、最初から肺全体に病巣がある人、高齢で体力が落ちている人、もともとCOPDなどの疾患で肺機能の悪い人は手術ができません」

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