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【ドクター和のニッポン臨終図巻】平幹二朗さんも…入浴死が気になる季節 年間の交通事故死者数4倍以上の現実 (1/2ページ)

★平幹二朗(24)

 朝晩の気温が下がり、秋めいてきましたね。空気が澄んでくるこの季節が大好きですが、高齢の患者さんのヒートショックが気になり始める季節でもあります。

 寒くなるにつれ、お風呂に入ることが何よりも楽しみという人も多いでしょう。しかし、入浴時の急激な体温上昇によって血圧の変動が大きくなり、脳卒中や心肺停止状態で亡くなる人が年間1万9000人以上いることがわかっています(厚労省調べ)。実に年間の交通事故死者数の4倍以上。ひとごとではありません。

 演劇界の至宝とでもいうべき名優、平幹二朗さんも、1年前の10月22日、お風呂で亡くなられました。82歳でした。

 この日、一人暮らしの平さんと連絡が取れなかったことから、近くに住む息子で俳優の平岳大さんが自宅に駆けつけたところ、浴槽で冷たくなっている平さんを発見したそうです。穏やかに、眠るように亡くなっていたと語っています。この日の東京は、朝晩と昼の寒暖差が急に大きくなった日でした。

 私は、平さんが82歳であったことに驚きました。背筋はいつでもしゃんとしていて変わらぬスマートな体形、よどみのない台詞回し、独特のハリのあるお声、脇役であっても主役を凌駕するオーラ…。これほど老人らしさを感じさせない80代の俳優さんは、演劇界広しといえども他には見当たらないように思います。

 平さんは、1956年に俳優座に入団。ハンサムな顔とスケールの大きな演技で、たちまち花形俳優となり、数々の名舞台を残しています。シェークスピア作品を平さんの出演作で初めて見たという日本人は少なくないでしょう。テレビドラマでも大活躍でした。

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