記事詳細

【中原英臣 医者のがん体験克服記】「がんの告知」は死語に 医療の進歩で治る時代が到来、「5年生存率」から「10年生存率」に挑戦

 中咽頭がんにかかって6年が過ぎようとしています。この間、2年続けて肺に転移しましたが、この3年間は何事もなく過ぎました。この原稿を書いている2017年8月の段階で、私は元気で暮らしています。仕事も続けています。

 私の手術を担当してくださった浅井昌大先生は鎌ヶ谷総合病院に移られましたが、バトンタッチをしてくださった国立がん研究センター中央病院の松本文彦先生と伊藤芳紀先生のおかげです。

 もちろん転移や再発を考えないことはありません。しかし、この3年間の経験を踏まえるなら、たとえ転移や再発があったとしても、医学的に対応していけるように思います。

 がんが発見された2011年9月の時点では、2012年のロンドンオリンピックを観ることができないかもしれないと思っていましたが、ロンドンどころか2016年のリオオリンピックもテレビで楽しむことができました。

 このままでいくと、2020年の東京オリンピックも観戦することができるのではと思っています。これもがんの治療が進歩したおかげとあらためて感謝しています。

 今回の連載を終えるにあたって、最後にもう一度「がんは治る時代が来た」ことを強調したいと思います。今から30年前に私が書いた「癌を告知する時代が来た」はすっかり時代遅れになりました。

 いまや「がんの告知」という言葉は死語になりましたし、どこかおどろおどろしい雰囲気がある漢字の「癌」も消えつつあります。私もこの原稿では「癌」でなく「がん」を使っています。新聞やテレビも「胃癌」や「肺癌」でなく「胃がん」や「肺がん」になりました。

 これまでがんの生存率というと「5年生存率」でしたが、昨年に「10年生存率」が発表されました。昨年の11月に「5年生存率」をクリアした私も、今度は「10年生存率」に挑戦したいと思っているところです。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう