記事詳細

【安達純子 血圧を下げる新常識】「食欲の秋」でも食べ過ぎに注意 高血圧発症リスク、非肥満の人の2~3倍の理由 (1/2ページ)

 食欲の秋、つい食べ過ぎて体重が増える時期でもある。BMI(体格指数=体重kg÷身長mの2乗)が「25」以上は肥満とされる。肥満の人は非肥満の人に比べて、高血圧の発症リスクが2~3倍高く、特に若い頃から体重が増えた人はリスクが高い。では、なぜ太ると血圧は高くなるのか。

 肥満治療のスペシャリスト、東京逓信病院内科の川村光信部長が説明する。

 「特に内臓脂肪型肥満になると、血糖コントロールに重要なインスリンの効きが悪くなり、インスリンがたくさん必要になります。血糖の制御には有利なのですが、他方で不都合に働くことがしばしばあるのです。たとえば、腎臓ではナトリウムの再吸収を促進し、血中のナトリウム濃度が上がるため血圧が高くなります。肥満は高血圧を育てるのです」

 インスリンは、膵臓から分泌される血糖をコントロールするホルモン。太った人は食事をするたびに、たくさんのインスリンが分泌されるので、膵臓に負担がかかり、やがて分泌量が減ってしまう。また、インスリン作用によって、細胞にブドウ糖が取り込まれるため血糖値は下がるものの、太るとその作用も悪くなる(インスリン抵抗性)。結果として2型糖尿病になり、一方で過剰のインスリンは、腎臓でナトリウムを再吸収するため、高血圧にもつながるのだ。

 「インスリン抵抗性の状態で、塩分の多い食事をとっていると、血中のナトリウム濃度が上がり、血圧は下がりにくくなります」

 川村部長によれば、脂肪細胞自体の肥大も、高血圧に関与する。脂肪細胞は、多数の生理活性物質(アディポカイン)を分泌するが、脂肪細胞中の中性脂肪蓄積が増えると、アディポカインの良い方が減り、悪い方が増加するために、高血圧につながるそうだ。

関連ニュース