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【安達純子 ロボット手術最前線】食道がん 新たな方法とロボット支援下手術を組み合わせ、正常なリンパ節を残す (1/2ページ)

 この連載では先進的で治療効果の高いロボット支援下手術(ダヴィンチ治療)の現状を見てきた。胃がんは多施設の臨床研究を経て保険収載への検討が行われている。食道がんでは、東京大学医学部附属病院胃・食道外科の瀬戸泰之教授が、現在、臨床研究を進めているところだ。

 瀬戸教授が考案した食道がんに対するロボット支援下手術は、腹部と首の2カ所に小さな孔を開けて行う。一般的な食道がんの手術では、特殊な麻酔で肺を一時的に潰して行うため、肺炎などの合併症を伴いやすい。瀬戸教授のロボット支援下手術は、肺はそのままで食道やリンパ節を取り除くため、肺の合併症が少なく、キズも小さくて済むのが利点だ。

 「ロボット支援下手術は、人間の手のような手ブレはなく、安定した操作性に優れています。今後、さらにロボットが改良されてオプションも増えることで、患者さんの身体への負担のより少ない手術が、行えるようになると思っています」

 瀬戸教授は、食道がんの手術でリンパ節を取り除くことについても、よりよい方法を模索している。食道の周りにある豆粒のようなリンパ節は、がんが中に潜んでいても、表面上はわからない。現状では、疑わしいリンパ節を食道と一緒に取り除き、がんの有無は病理医がチェックしている。結果として、リンパ節にがんが見つからないことも。リンパ節に潜むがんがあらかじめ分かれば、正常なリンパ節は残すことが可能だ。

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