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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大聖地 エルサレムの旧市街とその城壁 (1/2ページ)

 10月12日、アメリカとイスラエルが来年末にはユネスコから脱退すると発表されましたが、これはユネスコがヨルダン川西岸にあるパレスティナ自治区の「ヘブロン旧市街」をユダヤ教徒との関わりを考慮せず、パレスチナの世界遺産に認定したことに対する反発で、国連ユネスコの反イスラエル的姿勢への非難と考えられます。

 実際、イスラエルはエルサレムを首都と主張していますが、これは国連安保理決議で無効とされており、世界遺産「エルサレムの旧市街とその城壁」も「ヨルダンによる申請」という変則的な手続きによって登録されています。そこで今回は数ある世界遺産の中で唯一、当事国が存在せず、また歴史的に宗教間で領有権が争われてきたことから、最も長い期間危機遺産となっているエルサレムについてご紹介します。

 エルサレムはダビデ王によって紀元前11世紀頃に建国された、ユダヤ人による古代イスラエル王国の都でしたが、彼らユダヤ人は紀元前5世紀にこの地を追われ、その後は国を持たずに世界を放浪、1948年のイスラエル建国まで諜報機関を充実させ、教育を重視し、金融を生業としながら独自の努力をしてきました。現在のエルサレムは西と東に分けられますが、世界遺産登録されているのは東エルサレムの旧市街で、ユダヤ教徒、キリスト教徒、イスラム教徒そしてアルメニア人の4つの地区からなります。

 特に重要なのはユダヤ人にとって魂の故郷とも言える「嘆きの壁」、キリストの処刑と埋葬・復活の地に建つ「聖墳墓教会」そしてイスラム教を創始したムハンマドがアッラーの啓示を受けた「岩のドーム」と呼ばれる三大宗教の聖地です。

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