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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】パリジャンを魅了した男酒「七田」 (1/2ページ)

★佐賀県「七田」

 今月9日、パリで初めて「KURA MASTER」が開催された。「KURA MASTER」とは、フランス人のソムリエやレストラン関係者などが審査員になる、フランス人によるフランス人のための日本酒コンクールだ。そこで最高のプレジデント賞を受賞したのが、「七田(しちだ)」の「純米吟醸雄町50」だった。テレビや新聞で大々的に報道されたので、ご存じの方も多いだろう。

 「七田」は、佐賀・天山酒造の銘柄。地元で売られているのは「天山」という銘柄なのだが、県外の市場を意識してつくられたのが「七田」である。それが遠くフランス人の舌をもうならせた。

 「うちの仕込み水は、天山の中腹から湧く硬水なので、酒はキリッとした男酒になります」と話すのは、七田謙介社長。ちなみに天山とは、有明海と玄界灘を分ける分水嶺で、天山酒造の蔵から望める雄大な山である。

 10年近く前、蔵を訪ねたときは、ちょうど新しい仕込み蔵が完成したばかりだった。700キロの小さいタンクを増設し、純米や吟醸の仕込みをきめ細かい温度管理で行い、さらに酒質を上げてゆこうと意欲に燃えていた。

 また、蔵の中には酒を搾る槽(ふね)を改造したバーカウンターがあり、かたわらに仕込み水が飲めるスポットがあった。テイスティングやイベントをするスペースだとのことだったが、お洒落でセンスが良いことに感心したものだ。