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【酔っぱライターのお酒見聞録】進次郎氏もいち早く視察 自社米で醸すトップランナーの酒蔵『いづみ橋』 (1/2ページ)

★神奈川県「いづみ橋」(上)

 都心から電車で約1時間。神奈川県海老名市は、東京のベッドタウンとして開発が進み、駅前には新しいショッピングモールもできて賑わっていた。しかし少し駅を離れるとのどかな田園地帯となる。「いづみ橋」の酒蔵は、そんな田んぼの中にあった。

 「ここから見える田んぼはすべて自社田です。春から夏にかけてここで酒米を育て、秋冬に酒にしているのです。ええ、ほぼ自給自足ですよ」

 そう語る泉橋酒造の橋場友一社長は、大学卒業後3年間の証券会社勤務を経て、20年前家業を継いだ六代目。ちょうど食管法が変わり、米の流通が自由化した1995年のことである。それまで米は農協を通して買わなければならなかったが、この時自社田の米で酒を醸す道が開けた。そこで「自社米で酒づくりをしよう」と決意したのだ。

 自社の田んぼから始めた酒米づくりだったが、2年目から地元農家と「さがみ酒米研究会」を立ち上げ、徐々に契約農家を増やしていった。その結果、今では海老名市内産の米の15%が酒米となり、神奈川県産山田錦の収穫量は33府県中17位に躍り出た。これが全量いづみ橋になる米だというから、たいしたものだ。

 こうした実績を買われ、近隣に耕作放棄地があれば地元の市役所から声がかかるようになり、農地を増やすことが容易になった。また、新しい農業の成功例として全国から注目され、自民党の農林部会長となった当時の小泉進次郎衆院議員も、いち早く視察に訪れている。

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