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【大人のクルマ旅】鳴き砂と美女伝説、海の幸を土産に どうせ行くならカニの時期の今でしょ (1/2ページ)

★日本海カニ紀行(後編)

 京都府の日本海側にある京丹後市を回る旅の後編。夕日ヶ浦の温泉旅館「佳松苑」で松葉ガニの「蟹尽くしコース」を堪能した翌朝は、海岸沿いにクルマを走らせた。

 「琴引浜」というおしゃれな名前の白砂青松の景勝地に行きあたる。全長1・8キロの砂浜だが、そこを歩くと砂浜に含まれる石英などが摩擦で、キュッキュッと音がするという。足を踏み入れてみると、なるほどかすかに心地よい音が聞こえる。

 聞こえると言えば、ここには木造の建屋が連なる一角があり、中からは機織りの音が聞こえてくる。このあたりはちりめんの里なのだ。

 丹後地方の絹織物の歴史は1300年前の奈良時代にさかのぼる。雨が多く湿度が高い気候風土から、乾燥を嫌う絹織物生産が盛んになった。純白の繭から紡ぎ出される良質の生糸と、それらが織りなす美しい布。この芸術的生産品は、丹後の恵まれた環境と絹を慈しむ人々の手によって育まれ、江戸時代に産業として成熟した。

 近年は丹後ちりめんの技法を生かし、ポリエステルやレーヨンなどの繊維で織ったちりめん織物もつくられている。美しい着物から連想する美女伝説が、京丹後の観光資源になっている。

 義経と出会った静御前はこの地の生まれ。聖徳太子の母君、穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)は蘇我氏と物部氏の争乱を避け、太子とともにこの地に身を寄せた。さらに、この地にたどり着いたと伝わる小野小町や、浦島伝説の乙姫など「丹後の七姫」と呼ぶ美女ゆかりの名所旧跡が点在する。それらを訪ねて回れるのもクルマ旅だからこその楽しみだ。

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