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美容や健康にいいって本当?発酵学の第一人者、小泉武夫先生にインタビュー (1/3ページ)

 味噌や醤油、納豆、日本酒、ヨーグルト、チーズなど、私たちの身の周りにはさまざまな種類の発酵食品が存在する。塩麹がブームになったのも記憶に新しいところ。しかし身近な食品の割には、その特徴や具体的な効能はあまり知られていない。そこで今回は、発酵食品の歴史や特徴、おすすめの食べ方について、発酵学の第一人者で、発酵デリカテッセン「Kouji&ko」の監修などを務める東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生に話を聞いた。

 --小泉先生は酒造家のお生まれだそうですが、発酵食品の魅力を意識し始めたのはいつ頃だったのでしょうか。

 小泉:中学生頃ですね。生家が造り酒屋だったので、杜氏と呼ばれるお酒を造る職人さんが1年のうち半分ほど家にいたのですが、彼らが酒造りを終えて故郷(くに)に帰る際に塩麹をたくさんつくっていくんですよ。その塩麹を使って魚や鶏肉を麹漬けにすると、肉がものすごく柔らかく、おいしくなる。それを食べて「うまいな、麹って一体なんなんだ」と思ったのがきっかけだったかもしれませんね。

 --麹は日本の発酵食文化に欠かせないものですよね。

 小泉:味噌や醤油、みりん、日本酒など、みんな麹がないと成り立たないものですからね。歴史も古く、奈良時代に書かれた「播磨国風土記」には、すでに米麹についての記述が見られます。「神様に捧げた蒸し米にカビが生え、それでお酒を造って宴会をしました」という内容です。麹の語源をお話すると、もともとは「加比太知(カビタチ)」と呼ばれていたのですが、「加牟太知(カムタチ)」、「加牟知(カムチ)」、「カウチ」、「カウヂ」と変わっていき、現在の「コウジ」になりました。

 --「麹」は「糀」とも書かれますが、違いはあるのでしょうか。

 小泉:「麹」は中国由来の漢字で、「糀」は国字なんです。麹自体は日本を含む東アジア一帯に昔からあるものなのですが、日本以外は穀物を粉にして練り固めたものにカビを繁殖させてつくる「餅(もち)麹」が一般的。中国ではその際、麦やコーリャンを使うから部首に麦の字が入っているんですね。一方、日本では米粒一つ一つにカビを繁殖させてつくる「撒(ばら)麹」が用いられます。お米の表面に花が咲いたようにカビがつくため、本来は「糀」の方が正しい文字なんですよ。酒税法で決められているので、一般には「麹」の文字が使用されていますが。

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