記事詳細

【日本の元気】日本科学界100年の悲願!新元素「ニホニウム」 気絶するほど小さい原子核同士が合体した奇跡 (1/2ページ)

 年末になると、今年の重大ニュースが発表されることが増えるが、私にとっては「3月14日・上野」が最大のニュースだった。その日、日本の科学界の「100年にわたる悲願」達成の瞬間に立ち合うことができたからだ。日本人が合成・発見した新元素、「ニホニウム」(元素記号・Nh)の命名記念式典に参列したのだ。

 元素は、英語ならABC…に相当する物質の基本の基本だ。その一覧表が「周期表」。高校時代に語呂合わせで覚えた人も多いはず。「周期表」は軽い元素から重い元素が順番に記されているが、自然界にあるのは「92番元素」のウランまで。それより先は人工的に合成された元素だ。その元素の人工合成ができる力のある国は日本を含めごくわずか。元素を合成する巨大な優れた「加速器」があり、間違いなく合成されたと検出できる「超精密装置」なしには不可能だからだ。

 新元素は「核融合」で作る。それは想像もできないほど微小反応なので「核融合爆弾=水爆」のような危険は皆無。その作り方は、重さが異なる2つの元素を衝突、合体させるだけのことだ。

 「ニホニウム」は「113番元素」。「113」は元素の重さを意味している。そこで、クルマのボディーのメッキにも使われている亜鉛(80番元素)の原子核を整腸剤の原料でもあるビスマス(33番元素)の原子核に高速でぶつけて両者を合体させると、重さが「80+33=113」の新元素が作れる、という理屈だ。

 その衝突には大きな力が必要なので、弾丸=亜鉛の原子核を高速発射大砲(線形加速器ライラック)から連射。標的のビスマスに撃ち込むのだが、簡単には両原子核は合体してくれない。それは、東京ドームの中心に置いたボールを狙って客席からボールを投げ、2つのボールの中心をぴったりと一致させるようなことなのだ。原子の大きさは1000万分の1ミリ。中心の原子核はさらにその10万分の1。気絶するほど小さい原子核同士がぴったりと合体してくれるのは、奇跡を待つようなものだからだ。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう