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高齢者のうつや介護家族のうつ、もしかしたら鉄不足かも (1/2ページ)

 親が介護を必要とする頃には、子世代の方も結構大変だ。仕事は超繁忙期、子育ても過渡期。そして更年期も到来する。だるい、眠れないなど絶不調のピークだ。怖いのは、不調に慣れ、体のSOSを見過ごすこと。介護を含め様々な責任を担うために、倒れるわけにはいかない。そんな境遇を味わったN記者(54才・女性)が、自身の苦労を振り返る。

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 認知症と診断され、母が要介護状態になったとき、母は78才、私は49才だった。私はまさに更年期のど真ん中。つねにだるい。だるいというのは厄介で、医者に駆け込んで訴えるほどでもないが、市販薬や生活改善などセルフケアを行おうという気力もなく、結局だるいままなのだ。

 そしてひとり娘は当時、中学2年生。のんびり屋の娘が受験という人生初の闘いを前に、崖っぷちで共闘する心境だった。担任教師や塾の講師の言葉には娘以上に動揺し、怒りと祈りの繰り返し。気の休まるときがなく、夜眠れないこともよくあった。取材や原稿書きに追われながら合間に家事を回していく20年来の生活が、心底つらく感じるようになっていた。

 そんな時に始まった母の介護。私は父の葬儀や相続、母の生活関連の手続きなどに追われ、独居になった母は昼夜問わず電話があり、私がお金を盗ったとなじる。認知症とわかっていても、母との心の距離はどんどん離れていった。

 日常では娘の高校教師、母の主治医、スーパーの店員の言動にまで激しく苛立ち、「血管が切れそうだーッ!」と叫んでは落ち込み、家族と口をきかない日もよくあった。

 そんな状態が1年近く続いたある日。母の通院につき添い、待合室で待っていると、「あなた、Mさん(母)の娘さんよね?」と、不意に声をかけられた。驚いて見上げると同じ病院の女医さんだった。

NEWSポストセブン
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