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【阿部亮のつぶやき世界一周】ドラマでは定番の毒物『青酸カリ』 「なめて即死」はあり得ない、俗説は全くのウソだった

 ミステリー小説や刑事ドラマで定番の毒物といえば青酸カリだ。飲み物に混ぜられたり、コップに塗られたり、カプセルに入れられたものを被害者が飲んで、数秒~長くても十数秒で絶命。そして刑事や検視官が死体の匂いを嗅ぐとアーモンド臭がすることで、青酸カリによる毒殺だと判明する。

 青酸カリは短時間で死ぬこと・死因が明確なこと・老若男女誰でも使えることから、ドラマなどでは絶好のアイテムのようだ。ところが、先日図書館で読んだ毒劇物図鑑で、それらが全くのウソであることが判明した。

 青酸カリの正式名称はシアン化カリウムで、成人の経口致死量は体重1キロ当たり7ミリグラム、60キロの人なら420ミリグラムとなる。アスピリン1錠が100ミリグラムなので4錠分。ということは「コップに塗った」くらいでは全然足りないことになる。

 青酸カリを飲むと、胃の中で胃酸と反応して青酸ガスが発生、このガスが肺に到達して血液中の鉄分と反応し、各種臓器を細胞内低酸素にして壊死(えし)させることで絶命。ということは、「なめて即死」はあり得ない。

 また青酸カリは反応性が高い物質なので、紙に包んでおいてから飲み物に混ぜても、既に無毒化してるかもしれない。さらに強アルカリ性なので味が強烈。知らずに飲ませようとしても、激マズな上に口内に激痛が走るため、飲み込めず大半を吐き出してしまう。

 それでも致死量を摂取した場合は、めまい・頭痛・嘔吐(おうと)・けいれんなど、さまざまな自覚症状が出て、何もしなければ15分程度で死亡するが、胃洗浄や解毒剤の摂取で救命の可能性が高い。さらに匂いも微臭で、本当は分かり辛いのだ。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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