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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】水と米を極めた「水尾」と「赤磐雄町」 取材で教わった日本酒の原点 (2/2ページ)

 利守社長は、地元の農協、町役場、農家を一軒一軒訪ねては、雄町米の素晴らしさを説いて回った。初めはなかなか協力者は現れなかったが、根気よく説得を続けるうちに、少しずつ賛同者が現れ、利守酒造が農家の所得保障をするという破格の条件まで出して、ようやく雄町の栽培にこぎつけた。昭和40年代後半のことだった。

 その後の雄町の大出世はご存じの通り。そのどっしりとして男性的な味わいは、山田錦と人気を二分する。なかでも「酒一筋」の純米大吟醸「赤磐雄町」は絶品だ。

 やはり日本酒の原点は水と米なのだ。この2つの酒に、あらためて教えられた取材であった。 

 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、日本でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。近著は『ビジネスパーソンのための一目おかれる酒選び』(平凡社刊)。