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【BOOK】門井慶喜さん ミステリー小説でデビューして15年、ついに射止めた直木賞 批判気にしながらも書けた宮沢賢治の父、栄光と悲哀 (1/2ページ)

★門井慶喜さん『銀河鉄道の父』講談社1600円+税

 宮沢賢治の父・政次郎を主人公に書いた3度目の候補作でみごと直木賞を射止めた。ミステリー小説でデビューして15年。歴史小説へと幅を広げている。私生活では自身も15歳を頭に愛息3人の父。それが作品へのヒントともなったようだ。 文・竹縄昌 写真・寺河内美奈

 --本作での直木賞受賞の感慨は

 「最新の作品が最高の作品と思っています。だから最新作での受賞という意味でいいなと思いますが、一方ですべての作品が僕にとって可愛い子供です」

 --“作品の父”ですね。本作は息子さんに買い与えた宮沢賢治の漫画の伝記を読んだことが執筆のきっかけとか。父親であるがゆえに生まれた作品ですね

 「“作品の父”は確かにそうです。賢治の伝記漫画を息子に買って、政次郎に注目したのはまさに僕が父親であるからですね」

 --政次郎の史料は少ないそうですが

 「僕は現地に行くと必ず公立図書館の郷土史コーナーに行くんです。確かに政次郎さんの本はないにしても、記事はちょこちょこあるわけです。また本の一部にせよ、何冊もの本に記載があるので、そういうのを集めていったらまあまあ小説になるぐらいの確信を得ました。文筆の天才だけど生活の面では厄介者、そういう息子を持ってしまった父親の栄光と悲哀を描く、というテーマは明確に決まっていたので史料はある程度あればそれに沿ってフィクションは作れるであろうと。もちろん、根拠のあるフィクションです」

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