記事詳細

【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】小規模酒造でこだわりの傑作 金光酒造・社長「本来のつくりかたで、つくらせてほしい」 (2/2ページ)

 金光社長が「タンク1本だけでも液化ではない、本来のつくりかたで、つくらせてほしい」と頼み込むと、杜氏はしぶしぶ承知してくれた。

 こうしてつくった酒を、屋号の「正月屋」という名前をつけて売り出したところ、雑誌「特選街」が主催する日本酒コンテストの純米吟醸の部で、いきなり全国7位となる。

 しかし、賞を取っただけで売れるほど、日本酒業界は甘くない。ブランド力がない酒は、よほど店頭ですすめてくれないと見向きもされないのだ。実力のほどはわかったので、次は販売力をどうするかだった。

 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、日本でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。近著は『ビジネスパーソンのための一目おかれる酒選び』(平凡社刊)。