記事詳細

【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】オーストリアの女帝マリア・テレジアの暮らしを追体験 モーツァルトが御前演奏「鏡の間」は必見 (1/2ページ)

 前回はカルカスという女領主ゆかりのカルカソンヌ城塞をご紹介しましたが、今回は有名なオーストリア女帝マリア・テレジアが好んだシェーンブルン宮殿についてお話しします。

 本来ならば彼女が生誕300周年を迎えた昨年に記事にすべきでしたが、6月初旬に「シェーンブルン宮殿閉館後貸切見学&宮殿内の生演奏付晩餐(ばんさん)会」なるクラブツーリズムの企画に同行することになった関係で、今回はその魅力を私なりに解説してみたいと思います。

 マリア・テレジアはオーストリアの女帝と呼ばれるもフランス革命で処刑されたマリー・アントワネットの母であり、対外戦争を巧みな政治手腕で乗り切って領土を守り、小学校の建設、義務教育化など近代オーストリアの基礎を築いたことから“国母”として慕われています。また、ハプスブルク家といえば政略結婚が常識ですが、彼女自身は理想的な恋愛結婚で夫フランツ1世とのおしどり夫婦ぶりでも有名でした。

 シェーンブルン宮殿の一帯は、16世紀には「ウィーンの森」に続くカッターブルクと呼ばれる森林地帯で鹿や猪などの猟場でした。そして皇帝マティアスがそこに狩りの館を建て、狩りの途中で発見した泉をシェーナー・ブルンネン(美しい泉)と名付けたのがシェーンブルンという名のおこりです。

 しかし、1683年のトルコ軍によるウィーン包囲でこの館は略奪破壊され、後に皇帝レオポルト1世が夏の離宮として新築、当初は簡素な建物でしたが、それをマリア・テレジアが内外ともに今日ある壮麗なバロックとロココ式の優美な姿に仕立て上げたのです。中でもナポレオン帝国崩壊後のウィーン会議の大広間や6歳のモーツァルトが御前演奏を行った「鏡の間」は必見です。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース