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【BOOK】玄冬を迎えた女の幸せ 妻の役割を終えた女性の「自由」とは 芥川賞作家・若竹千佐子さん (1/3ページ)

★若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』河出書房新社(1200円+税)

 “主婦業”のかたわら新人小説賞に応募し、デビューしたばかりで第158回芥川賞を受賞。まさにシンデレラ“ガール”だが、青春小説ならぬ「玄冬小説」のパイオニアとなるか。あのドン・ガバチョが内なる存在という新芥川賞作家に聞いた。(文・竹縄昌)

 --受賞おめでとうございます。贈呈式はいかがでしたか

 「もう感激して、内なるガバチョが騒ぎだし、みなさん見ていてください。もっといい作品書きますなんて公言して。穴があったら入りたいです」

 --受賞決定直後は

 「ホントにまさかまさかこうなるとは。いっぱいお仕事が来て忙しくって。今まで原稿は期限なんてなかったですから、うれしい半面、大変です」

 --いきなり東北弁で始まりますが、考えるときも方言ですか

 「持って生まれた言葉だから、普通に東北弁で考えますよね。でも、これを書いたのは、東北弁で書いた方が人間の厚みが出ると思ったからです。一人の人間の心の中の“大勢の声”を立体的に描くためにも、話の進行は標準語で、一方、心の声は方言で書き、物語に二重性を持たせようとの企みもありました」

 --タイトルは宮沢賢治の有名な詩「永訣の朝」にもある言葉(原文はローマ字表記)からですね

 「実は最終選考のタイトルは“玄冬の女”だったんですが、これを変えることになってあれこれ考えたんですが、娘がふと言った“方言にしたら”の一言で思い浮かんだのがこの言葉でした。私も好きでしたし、あの言葉に変えて大正解でした。岩手県人としては宮沢賢治は誇りですから」

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