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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「新年度」》「新人のころを思い出し改めて精進誓う」 (1/2ページ)

 社会人になってから、新年度の区切りをあまり感じることが少なくなった。部署が変わるわけでも、やっている仕事が変わるわけでもない、というのがその理由。ただ取材対象の役所(警察や市役所、県庁など)は4月で人が異動するため、「ああ新しい年度になるんだな」とふと感じることがあるぐらいだ。

 毎年4月になり、街中に新入社員らしき若者を見るたび、自分が新人記者だったころを思い出す。そして、改めて「がんばろう」と気を引き締める。初心に立ち返ることの大切さ、というものを感じるのだ。

 初任地は「第二のふるさと」とはよく言ったもので、4年ほどいた大津市は大事な第二のふるさとだ。今でも思い出すと冷や汗が出る失敗の数々や、温かい人たちとの出会い…。あのときに学んだこと、体験したことすべてが今に生きているのだな、と思っている。

 中でも忘れられないのは、遊園地のジェットコースター事故で娘を亡くした遺族を取材したときのことだ。娘は自分と同年代だった。なぜこんなことが起こったのか。娘がどれだけ家族や友人らに愛されていたのか。涙ながらにお母さんの口から話される一言一言が胸に響き、「絶対にこれを伝えたい」と思った。

 取材でそんなことを思ったのは、それが初めてだった。それだけ重みのある言葉だったのだと思う。

 また、こんなこともあった。県知事の囲み取材に間に合わず、ピンチに陥っていたとき。あわてている1年生記者の自分をみて、見知らぬ他社の先輩記者が適格なアドバイスをしてくれた。その記者は大津の記者ではなく、本社から応援取材にきたようで、お礼をいう私に、こう言った。

 「うちの社から、新人の記者がもうすぐ大津に配属されるので、その子とぜひ仲良くしてあげてください」

 こんな度量があり、余裕のある記者になりたいと思ったものだ。名前を聞いていなかったことが今でも悔やまれる…。

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