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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】“アドリア海の真珠”と呼ばれる美しい街並み クロアチアの「ドゥブロヴニク旧市街」 (1/2ページ)

 今年9月にクロアチアに行くことになったので、久々に宮崎駿監督の映画『紅の豚』のDVDを鑑賞してみました。映画の舞台は第一次世界大戦後のイタリアで、海賊ならぬ空賊を退治する賞金稼ぎの主人公ポルコ・ロッソの夢とロマンを描いた物語ですが、登場する街並みのモデルとなったのは「アドリア海の真珠」と呼ばれるクロアチアのドゥブロヴニク旧市街です。アドリア海の青く澄んだ海と空の間をロッソの赤い飛行艇が舞い、オレンジ色に統一された旧市街の屋根がとても印象的でした。

 イギリスの劇作家、バーナード・ショーも1929年にドゥブロヴニクを訪れ、「この世の天国を見たければ、ドゥブロヴニクに行かれよ」という言葉を残しています。

 ドゥブロヴニクとはスラヴ語の名称で、ラテン語ではラグーサと言い、ナポレオン侵攻まではラグーサ共和国と呼ばれる都市国家でした。イタリアのアマルフィ、ピサ、ジェノバ、ベネチアと並んで地中海貿易で栄え、次々と宗主国が変わるも巧みな外交術と堅牢(けんろう)な城塞によって都市国家としての自由と自治を守り続けたのです。

 しかし、1667年に突然起こった大地震によって甚大な損害を受け、また1991年のユーゴスラビア連邦軍による攻撃の際も町の大半が破壊されるという悲劇を味わいました。そのため1979年に世界遺産登録されるも、紛争によって「危機にさらされている世界遺産リスト」に載せられました。それが市民の精力的な努力によって1998年にはその危機遺産リストから削除されたのです。クロアチアは親日国ですが、その理由はお互いに戦後復興を成し遂げたという共通点があるからだと思います。

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